ワークショップ概要
中西研究室では、研究室メンバーのクリエイティブシンキング力を向上させるため、
今期から「毎週シンキングプロセスデザイン」というワークショップを開くことにしました。
内容は、読んで字の如く、毎週クリエイティブシンキングが必要とされる発想手法やツールを用いて、
「なにかしらのお題」を全中西研究室メンバーがこなしていきます。
第一回目の様子はこちら
北原です。シンキングプロセスデザインワークショップのエントリーは久々ですが、毎週行われています。今回は第4回目のワークショップについてレポートします。
今回利用した手法/ツールについて
手法/ツール名
シックスハット
手法/ツール概要
- 1980年台初頭に「水平思考」の著者、デ・ボノ博士によって考案
- 6つの思考法を6つの帽子で表されている
お題
「新しい写真を使ったwebサービスの提案」
ワークショップ中の様子
今回は帽子は用意出来ませんでしたが、選択された6つの思考モードになりきり皆で考えて行きます。6つの思考法には以下のものがあります
- 白:客観的思考
- 赤:直感的思考
- 黒:否定的思考
- 黄:肯定的思考
- 緑:創造的思考
- 青:プロセス管理的思考
シックスハットではこれらの6つの思考モードになりきりお題について考えないといけません。もし黒色の場合であったらお題について否定的、消極的な考え方で、緑色であったら創造的、革新的な考え方で取り組みます。このように思考モードをあらかじめ決める事によって普段、発想法が偏りがちな面を補ってくれます。
今回は全員同じ思考モードで5分ごとに切り替えて行くというルールで行いました。
結果
下は各思考法で出たキーワードの例です。
- 客観的思考
- 最近流行のwebサービス:flickr、フォトログ、tumblr
- デジカメの販売数が写真サービスを発展させているのではないか
- シンクライアントの動向
- 直感的思考
- 既存のwebサービスを圧倒したい。圧倒的な画質等
- 使いやすさ、見た目、SNS
- 外人も見てくれそう
- 創造的思考
- 子供的な観点から見て、手で囲うと写真になる
- 実空間とのコラボレーション:おにごっこ
- 写真で過去の写真と差分を取ってみる
- 批判的思考
- 写真は古い、新しい写真なんてない
- 誰も使わない、めんどくさい
- 写真はデジャブ感に襲われる
- プロセス的思考
- 既存の写真webサービスには有料、誰もが使えるわけではないという問題がある
- ターゲットを決めれば新しいwebサービスになるだろうか
- そもそもカメラは必要だろうか
- 肯定的思考
- 地球上のあらゆる人が使うと何かがおこる
- 量が質を生んだ結果、環境問題を解決できるかもしれない
- 写真の概念が覆される
これらを基づいて新しい写真を使ったwebサービスを一つずつ出してみました。
- 子供が写真を使って対戦を行う。もし勝った場合、その国以外の同じ年齢の子供が病気になっている写真が出る。その結果、国際的な視野が生まれる。教育的な写真を使ったwebサービス
- MMO的なサービス。撮った写真の情報(位置、Exif)に基づいてステータスが決まり、それらからモンスター的なものが生まれる。課金制も出来るかもしれない。
- 写真を沢山撮り、その写真で新しい街を作る。simcity的なサービス。もし住宅を立てたかった場合住宅を撮らないといけない
- 写真で位置情報が撮れるので、どこで写真を撮ったに着目したサービス。その場に行って写真を撮るという行為をするとweb上で何か出す。他のユーザと協力するのもどうか。
- 写真の中にある情報(色、人、位置、Exif)等を積極的に使いwikiのように繋げるサービス。インターフェスは写真のみだけでやってみる。偶発的に面白い写真に出会えるかもしれない
まとめ
今回初めてシックスハットという手法を使ってみました。個人的な感想としては明示的に思考法が与えられるのでそのタイミング、タイミングで何をすべきかがクリアになり意見が出やすいと思いました。ただ、今回は会話ベースで案だしを行ったので紙で記録するのは間に合わずPCを使いました。
上に加えるとシックスハットをお題に対して一回目から使うよりは何度か議論を重ね、詰まった時に行った方が効果的であるように思えました。その要因の一つとして客観的思考等ではデータに基づいて発言する等がありそれらが準備されていた方がより具体的に進められるからです。
以上で第4回シンキングプロセスデザインワークショップのレポートを終わりたいと思います。