電気電子工学科の授業であるEE92A: Making and Breaking ThingsはdesignXラボの同僚であるWendy JuとDavid Sirkinがオーガナイズするオムニバス形式の授業です.
何かを分解したり改造したり組み立てたりといった体験をすることに重きが置かれ,理論→実践というスタイルではなく,まずは実践すること(→理論)によって素材や技術やプロトタイピングの手法についての実際的な知識を身につけることが目的とされています.
週替わりの講師がそれぞれお題を出し,2時間の授業の中で色々な製品を分解し別のものへ組み立てたり,新しい機能を追加したりします.何回かは出席できなかったのですが,出席した回に何をやっていたかを簡単に紹介します.
- 最初の週はカッパーテープで回路を作ってまずはLEDを光らせ,Trinketを使ってチカチカさせました.
- (2週目はHannah StuartとLEDを光らせる回路をシリコンに埋め込む方法を体験しました.)
- 3週目の講師はサウンドアーティストのJess Rowlandと,カッパーテープを使って色々な形のFlexible Speakersを作りました.
- 4週目はCCAで教えているScott Minnemanと,ポップコーンを作る機械を分解して部品を追加し,温度を調節出来るよう改造してコーヒーの焙煎機を作りました.授業後には自分達で焙煎したコーヒーをプレスして味わいました.
- (5週目はNik Martelaroと,歯ブラシとモータで作るロボット:BRISTLE BOTSを作りました.)
- 6週目はStanfordでポスドクをしつつベンチャーDash Roboticsを立ち上げたNick Kohutと,折り紙のように組み立てる彼らのRobotを組み立てました.
- 7週目は中西が担当しました.ダイソーで購入したHandy Fanを分解+何かの部品を付け足してMotion Sculptureを自由な発想で作ってもらいました.教室の都合でたまたまd.schoolのStudio2で授業をしたのですが,d.schoolがプロトタイピングに使う素材がたくさん入ったラックを使わせてもらうことができました.お陰で本当に色々なMotion Sculptureが出来上がりました.
- 8週目はBill Verplankとハードディスクを分解し,センサーを追加してアームを制御しました.
- (9週目はDavid ChristensenとクッカーにリレーとArduinoを追加して温度をPID制御できるようにし,ziplocを使ったSous-Vide:真空調理法でタマゴを調理しました)
- 最後の週はアーティストのSasha Leitmanとピエゾ素子を使った骨伝導マイクを作りました.
この授業は,電気電子工学科でも機械工学科のDesign Programのような手を動かす授業を増やしたいという要望の下で,試験的に行われたものでした.こうした「実体験が先で理論の勉強が後」という勉強スタイルは従来の工学部の教育とは異なるものでしょう.こうしたスタイルはMakerムーブメントやTinkeringといったDIY的な実践を重視する西海岸カルチャーとの結びつきもたやすく想像できます.
学生達が嬉しそうにモノを壊したり作ったりする様子はとても印象的でした.来年度も開催するかは未定とのことですが,ぜひ開催してもらいたいと思います.
Many thanks to Wendy, David, Nik and all guys in the class!