2013-2014 Autumn semester (2)

授業の発表会としては
ME218A: Smart Product Design Fundamentals
ME20N
ME203: Design and Manufacturing
を見に行きました.

ME218いわゆるメカトロの授業ですが,A,B,Cと3セメスター毎にレベルアップしていくようです.アーケードゲームを作るというのが最終課題ですが,Aとはいえかなりの完成度です.使っているセンサとアクチュエータはほぼ共通なので,基本的な動作をマスターした後にそれらの新しい組み合わせを考えるという進め方のようですが,最終課題はなんと2週間で仕上げたとのこと.レーザーカッター使っているのも当たり前だしきちんと塗装してるのも当たり前.4人組で2週間でこれだけのものを作るには,アイデア+手を動かすスキル(メカ+エレクトロニクス+加工)に加えてプロジェクトマネジメントが出来ないと,これだけのものは作れないでしょう(少し衝撃を覚えました…)

ME20Nは正規の授業ではなく,CDRのCHARM LabのM1の学生のセレクションとのこと.Labのメンバーが開発したArduinoベースのボードを使ってセンサとアクチュエータを動かしてHaptic feedbakのある何かを作るという課題でした.フォースフィードバックがあるテニスゲームが秀逸でした.こちらは2人組で2週間のプロジェクト(さらに衝撃を覚えました…).

ME203は工作機械を自分で使いこなし製造のプロセスを学ぶ授業です.受講者それぞれがモノを作っている感じですが,きちんとUser testingを繰り返してプロトタイピングを繰り返している人もいたり,逆に素材と何度も対話を重ねることでカタチを作っている人もいました.その繰返しの回数が多い人ほど完成度が高かったように思います.

他にも,Wendyと一緒にExploratoriumであった1965-71に活躍したメディアアートグループE.A.Tのシンポジウムに行きました.日本から来られた岡崎乾二郎さんと色々お話できたりE.A.Tの方と同じテーブルで食事ができ,とても恐縮でした…
12月には同じCDRでVisiting Scholarをしているソニーの田中章愛さんにAutoDeskの工房訪問を企画していただいて参加しました.そこでは学生時代に良く読んでいたMacintosh Developer’s Journalで記事を書かれていたBasukeさんにお会いでき堅い握手を交わしました(涙).

と,刺激に溢れたAutumun Semesterでした.残るWinter Semesterも色々と楽しみたいと思います.

2013-2014 Autumn semester (1)

新年明けましておめでとうございます.Winter semesterが始りました.Autumn semesterは自分の研究を進めるために授業の聴講はあまりしていなかったのですが,レクチャーや発表会等などの内容を少し紹介したいと思います.


夏に作っていたProcessinglueのデモをCasey Reasに見てもらうためにLAに行ってきました.メディアアーティスト->建築家の杉原聡さんがモーフォシス在籍時にデザインしたファサードやSCI-Arcを案内してもらいつつ,Caseyとも仲が良いので一緒にUCLAに行きキャンパスも案内してもらいました.イームズのケーススタディハウスも見ることができ,色々な刺激を受けたLAでした.

MIT->RISDのJohn Maedaのレクチャーがありました.Computational Designが当たり前になった今,デザインのバランスとしてACTIONS(PHYSICAL), EMOTIONS(COGNITIVE), RELATIONS(ORGANIZATIONAL)からなる三角形を描き,大学によってそのポジションが異なる,という図でその状況を解説しました.とても分かりやすく,自分(達)の立ち位置を考える良い地図だと思います.また彼の著書
リーダーシップをデザインする: 未来に向けて舵をとる方法
では,新しい時代のリーダは一つの山を上ったらその山から飛び降りてまた新しい山に登るのだ,と述べていました.Johnは12月にRISDの学長を辞めてメンロパークのベンチャーキャピタルにjoinしました.こうあるべきという姿を自ら実践したということですね.

d.schoolのDavid Kellyの近著
Creative Confidence: Unleashing the Creative Potential Within Us All の出版をお祝いするパーティがあったりしつつ(都合が付かずで参加できずでしたが),d.schoolの授業の発表会を一つ見に行きました.

さまざまな分野の大学院生がチームを作り「未来の大学」の姿をプロトタイプしていました.びっくりするようなアイデアではありませんでしたが,スタンフォードのビジネススクールを卒業した起業家お2人の著書
伊佐山元 シリコンバレー流 世界最先端の働き方
水島淳 スタンフォードの教え「ビー・ユアセルフ」
でもd.schoolについて言及されています.お2人とも東大法学部を卒業とのことですが,法学部卒の僕の友人から「デザイン」という言葉が出てくるシーンを想像しづらいので,あらゆる分野の人がデザインとプロトタイピングの重要性を知っているということはシリコンバレーの大きな強みであることは間違いないでしょう.
(続く)