Futuroid#2 : TracePlayer

TracePlayer1
 FaceShadowingにおいて、練習者が将来行うであろう動作を手本の動作から自動生成したことが、このフューチャロイドという概念を作り出す契機になりました。FaceShadowingがFuturoid#1だとすれば、Futuroid#2とも言えるのがこのTracePlayerというシステムです。

フューチャロイドの研究においては「身体的なスキルの向上」や「身体的な健康の増進」を目的に「ユーザが求める将来像へと自身を近づけてゆくためのシステム」を開発します。その概念をスポーツに適用したのがこのシステムです。子供は憧れのプレイヤーの真似をしながら遊んだり、その遊びの延長としてスポーツのトレーニングをすることがあるでしょう。空間にどのような情報を提示したり、どのような媒体でその憧れの選手の動きを表現すれば、子供たちはより良く真似ができるでしょうか?

 その問いへの答えとして、スポーツにおける上級者の身体動作を学習者に伝える新しい方法を構築すべく、舞踊の記譜法を用いて身体動作を床面に表記し、それを学習者自身が再生しさらに他者が再生する様子を学習者が観察できるシステムを構築しています。
 
 記譜法として舞踊におけるラバノーテーションを、そしてそれを再生する他者として移動ロボットを用いることを提案し、その基礎的な検討としてカラーセンサを用いたライントレーサの試作を繰り返しています。移動の軌跡とリズムの変化を表すカラーテープを最小限のノーテーションと考え、ライントレーサが白線の上を移動し青・赤のテープにより加速・減速をすることで、サッカーやバスケットボールにおけるドリブルのような身体的なリズムを伴う身体技能の伝達と獲得のための物理的なメディアとして機能すると考えています。

Futuroid #1 : 中間顔の生成によるFace Shadowing

英語の発音のトレーニング方法にシャドーイングと呼ばれる方法があります[シャドーイング – Wikipedia]。シャドーイングには幾つかの手法があり、第二言語の習得に効果のある方法だとされています。

その一方で、日本人が英語の発音を良くするにはネイティブの顔・口・舌・喉などの筋肉の動かし方をマスターする必要がある、という考え方があります[英語舌のつくり方 ――じつはネイティブはこう発音していた!]。
 こちらのWebの記事[複数の言語をマスターするコツは「別の人格」を演じること]もそうした学習方法のあり方を示唆しています。私自身も英語の個人レッスンを受けていた時に、先生の口や唇の動きを真似るようにと良く言われました。
 しかし、人種が違うと顔の骨格や唇の形もだいぶ違うために、自分がそうした動きをしている様子をイメージすることが難しい、という問題がありました。

そこで、画像処理を使ってネイティブスピーカーの顔の動きを検出し、その動きで自分の顔を動かすことが出来れば、発音が良くなった状態の自分をイメージしやすくなるのではないか?と考えました。
 そうした顔を中間顔と名付け、openFrameworksを使ってシステムを実装し、単にネイティブスピーカーが話す動画を用いたシャドーイングと、提案する仮想的な自身の将来像も併用するシャドーイングとで、発音が良くなっているかどうかを比較する、という研究を行いました。下の図がシステムの画面です。左が学習者、右がネイティブスピーカー、真ん中が中間顔です。

Futuroid#1:Intermediate Face

3月にAugmented Humanという国際会議に論文が採択されて口頭発表を行い、4月には日刊工業新聞に取り上げていただきました。
[語学力習得で表情手本に-慶大、英会話教師の話す表情をリアルタイムに生徒の顔に合成]

カメラやセンサを使って上級者の動きを計測し、それを学習者の特徴に合わせて仮想的な将来像を作るシステムのことを私たちは「Futuroid」と名付けました。
 大阪大学の石黒浩教授らが構築しているジェミノイド(Geminoid)は人間に酷似した外見を持つアンドロイドです。この”ジェミノイド(Geminoid)”という言葉は「双子」を意味する「ジェミニ(Gemini)」と「〜のような」を意味する「-oid」からの造語で、私達の研究で用いる”フューチャロイド(Futuroid)” という言葉は、将来を意味する「Future(フューチャー)」と「-oid」を下にした造語です。
 このシャドーイングの研究はそうした具体的なシステムの#1です。#2としてサッカーのドリブルの練習をするためのロボットを開発しています。こちらはまだまだ開発途中ですが、#3や#4も考えて行きたいと思っています。

ワークショップご参加ありがとうございました!

1月の19(土)にワークショップ「空間をプログラミングしよう!」第3回,盛況のうちに開催することができました.

今回も数時間のプログラミングの作業の中でさまざまなシミュレーションを作っていただきました。シミュレーションしてみたら思っていたよりもつまらなかった、でも別のことにオモシロみを感じてまた新しい方向にプロトタイピングを進めた。そんな予期せぬ発見を色々と共有できました。
ご参加いただいたみなさん、どうもありがとうございました。

今回のワークショップ向けにドキュメントの整備を進めていたのですが、ちょっと間に合いませんでした…。ドキュメントのためにCityCompilerのロゴもデザインしてもらいました。Coming Soon!ですので、完成したらまたお知らせします。

ワークショップご参加ありがとうございました!

11月の24(土)と25(日)にワークショップ「空間をプログラミングしよう!」,盛況のうちに開催することができました.

数時間のプログラミングの作業の中で,我々の想像を超えたさまざまなシミュレーションを作っていただきました.この画像は参加者の皆さんのコードを実行した様子を幾つか抜粋したものです.

Processingの画面が様々な建築物にプロジェクションされたり,色々な大きさのディスプレイに表示されたり.またプロジェクタやカメラが空間の中を移動したりすることで,空間と情報が渾然一体となった環境をつくり出しています.

CityCompilerを使って仮想空間でシミュレーションを色々とやってみると,「予期せぬ発見」をすることがあります.
仮想プロジェクタ・ディスプレイや仮想カメラが仮想空間の中で動作するのを見て,あたまの中だけで考えていたのとは違ったアイデアが広がっていくことを楽しんでいただけたように思います.CityCompilerを使って皆さんの想像力・創造力が発揮された瞬間を見ることができて,楽しい2日間を過ごさせていただきました.

ご参加いただいた皆さん,どうもありがとうございました.

このワークショップでのフィードバックを受けて,来年の1月19(土)にまたワークショップを開催予定です.またこのサイトでもお知らせをさせて頂きます.

夜景星座

夜景星座

スマートフォン上で動く夜景共有SNS

北原壮, 西牟田和子, 竹内祐太 . 2010年

先人達が光の点に関係性を見いだし、人や動物に例え、ストーリーを作っていったように街の光の点で思い思いの形を描いた星座。夜景星座は街の夜景の光で星座を作り、街の物語を描くことができるアプリケーションです。 “夜景星座” の続きを読む

mailTraveller

mailTraveller

メールの通り道を仮想的に可視化するモバイルアプリケーション

竹内祐太 . 2010年

mailTravellerは、送信者が紙飛行機を飛ばすかの様に携帯電話を身体的な動作を用いて操作する。 送信者は、受信者との物理的な距離に応じて、投げる動作を複数回行う必要がある.強く投げれば仮想的なメールの飛行距離が長くなるためその回数は少なく、弱く投げれば飛行距離が短くなるため投げる回数を増やすことができる。そうした身体的な動作の履歴を、Web上の地図サービスおよび写真共有 サービスを用いて可視化することによって、心理的・物理的な距離感を演出している。 “mailTraveller” の続きを読む

PrototypeTracer

プロトタイピング支援ツール

北原壮. 2010年.

Processingを利用したプロトタイプ作成時の思考の外在化を手助けを行います。利用者は、与えられた何かしらのお題に対しProcessingを使いながらプロトタイピングを行います。その際、プログラムを実行する度にソースコードからコメントの抽出と実行結果の保存を行います。これを繰り返しながら、一つのプロトタイプを作成し終わった時点で地図のように並べそこから、新たなアイディアや派生するアイディアを考えプロトタイピングを行います。 “PrototypeTracer” の続きを読む

BOZAAR

http://www.bozaar.com/

加藤 貴之. 2006~2007年.

モノでつながるヒトとヒト

SNSの登場によって情報空間内での情報交換が個人間の信頼を媒体として活性化したのと同様に,モバイルコンピューティング技術は個人間の信頼を媒体とした,実空間内でのモノのやりとりを活性化させることができるはずです.そのような仮説の元に私たちはBOZAARというカメラ付き携帯電話を利用した物品貸し借り支援サービスを構築しました.

利用者は貸し借りの際に身体ポーズと写真の構図を用いた簡単かつ楽しい手法で登録を行います.システムは顔検出およびメール解析によって再利用性の高いデータを獲得し,集めたデータを使って貸し借りの管理および機会創出のための機能を提供します.

私たちはBOZAARの運用結果から仮説の正しさを検証し,「交易に埋め込まれた出品」というeコマースとインタラクションデザインを結ぶモデルを導出しました.



BOZAARにご関心のある方は加藤(takayuki1983 at gmail.com)までご連絡ください.

CityCompiler

情報システムと実空間を統合的に設計/開発するためのツール。

三浦 稔隆, 2007年~

情報システムの設計と空間の設計を融合したエクスペリエンス・デザインを対象として、1)統合開発環境と2)デジタルアース、3)再利用可能なライブラリ群、の3つのツールの組み合わせによる、情報システムと実空間の統合的な設計/開発環境を提案します。これにより、情報システムとそのユーザインタフェースと、情報システムが動作する端末、そしてその端末が設置される空間、などの多様なスケールでの設計/開発支援を実現することを目指しています。

公式Webサイト:http://cc.unitedfield.net/

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EntityCollaborator

ユビキタスコンピューティング環境をつくる開発環境。

粕谷 貴司, 2005年~

Entity というインタフェースの実装クラスとすることで、さまざまな機能のコンピュータを等価に扱い、空らを強調させてアプリケーションを構成するための開発環境です。IP 電話やインスタントメッセンジャー、情報家電の通信に使われる SIP というプロトコルを使って、さまざまなコンピュータが通信する環境をかんたんに構築できるようになります。