TelephotoPyramid

離れた複数の空間をつなぎつつ仕切る。

木原祐哉, 2005年

Web カメラで遠くの場所と常時つながりあう時代ももうすぐでしょう。カメラの画像から「消失点」と「稜線」を重ね合わせることで、あたかも奥行きのある空間を擬似的に作り出します。部屋の様子・人物の行動などのスケール感を保ちながらいくつかの部屋をつなげることができ、また、ただつながっているのとは異なる新しい距離感を作り出します。

SpaceTracer

スローシャッターが伝える空間のコンテクスト。

橋本悟, 2005年~

一分間ごとに撮影した Web カメラの画像の透明度を上げながら 60 枚重ね合わせることで、遠くの場所の様子を時間の流れとともに伝えることができます。知らない人のプライバシーを保ちながらも、知っている人はわかる。人の認知能力や保管能力を信じたコミュニケーションの提案です。


TimeViewer

時の流れをみるアルバム。

三浦 稔隆, 2005年.

「アルバム」は、「イベントごとに分けてコレクションされた画像の集まり」といえます。その一方で、「アルバムを眺める」という行為は、「過去の時間の流れ」を想起しながら見ることであり、画像ビューアの多くはそうした時間の流れを分断してしまいます。時の流れをつかめるような画像ビューアを作成することで、自分の時間と空間のかかわりについての意識を高めることができるでしょう。


DiceCamera

ダイス型カメラ: 人が撮る写真からモノが撮る写真へ。

中野亜耶, 2005年

正十二面体のダイスの一面にカメラを取り付けます。ダイスを地面で転がし、とまったところでシャッターが切られる。そうした仕組みのソフトウェアと試作のダイスを作りました。被写体をダイスの向きが決めるので、普段気づいていなかった多くのモノに気づくようになります。題すが撮影する写真のローアングルの迫力。シャッターを切る = ダイスを転がす。写真を撮るという行為そのものに新しい楽しさが加わります。






時空間ポエマー

GPS ケータイを使ったコミュニティウェア。

中西泰人,本江正茂,松川昌平[他], 2003年~2004年.

位置情報つきの写真を地図上に投稿するシステムを街のみんなで共有します。何百枚もの写真が浮き上がってくるあたらしい仕組みの地図の上を歩き回りながら、街の風景を眺めます。身体を取り囲むような情報環境の中で、都市におけるミクロな体験を俯瞰するマクロな共有を提供します。


iCAMS

携帯電話の位置情報を使ったグループウェア。

中西泰人[他], 2001年~2004年

アドレス帳はふつう「あいうえお順」にならんでいますが、iCAMS ではグループのメンバーが「位置の近い順」に並びます。連絡したい人をクリック。その人の位置とスケジュールに応じて、メアドや電話番号の優先順位が付けられて並び替えられます。「お、あいつ近くにいるじゃないか」「あの場所でメアドが一番上だったら、電話は後でしたほうがよさそう、まずメールするか」といったコミュニケーションを実現します。