designXラボでPh.Dを取ったBill CockayneによるME 410: Foresight and InnovationはME410A, ME410B, ME410Cと3セメスター続く大学院生向けの授業です.
ちょうど年明けに日本からのお客さんがあるとのことで,一緒にStanfordを案内しました.彼はAppleやKodak等の企業でのエンジニアとしての経験とベンチャー企業をスタートアップした経験を持ち,今はStanfordでこの授業を担当しています.Apple時代はPerfomaの生産ラインを担当していたとのこと.僕はII SiからずっとMacintoshだよという話をしたら,Apple時代の色々な思い出を語ってくれました.
デザインシンキングにおけるフィールドワークではユーザが今抱えている問題を発見します.Webやスマートフォンのアプリや今ある技術で解決できる場合にはその方法が有効であっても,もう少し長期の技術開発として何をすべきか?企業の中期/長期ビジョンや戦略をどう描けばよいか?という問いに答えを導くことには不向きです.
そこでBillとTamara Carletonが協力してこうした問いに答えるためのツールキットを開発しました.
[Innovation Leadership Board]
この15のフレームワークを用いることで,
– How do I begin looking for future opportunities?
– How can I create a path to these opportunities that anticipates the inevitable changes along the way?
– What can I start doing today that will help me get there first?
という根本的な問いに答えることで将来に備えることができる,と述べています.
開発に4年ほどの時間がかかる自動車メーカがどういう戦略を描けば良いか?という例を挙げてBillが説明をしてくれました.
今のユーザをフィールドワークすることに加えて,4年後に大きなマーケットになるであろう地域で将来自動車を買うであろう人達(インドやアフリカの20歳)も調査の対象とした上で,2つのユーザ層が時間軸上パラレルにどう変化していくかを考えながら,どういった技術を開発していくべきか?を考える.その時にこのフレームワークをどう使い分けるのか,といったことを説明してくれました.
フレームワークの詳細は下記のURLでPDFとして公開されていますので,ダウンロードして見てみてください.
http://innovation.io/playbook/
Thanks Bill!